エコ&節約 男性にも圧力鍋人気

引用

「景気が悪くなると売れる」といわれる圧力鍋。メーカー各社からは「不景気の中、売り上げは前年比微増」「通常の鍋に比べ、落ち込みが少ない」といった声も聞かれる。最近は男性でも使う人が増えているという。理由としてヘルシー志向、節約志向、エコなどが挙げられているが…。
 ≪ご飯ならわずか3分≫
 横浜高島屋横浜市西区)のキッチンスタジオで今月19日に開催された「フィスラーお料理教室」。料理研究家伊藤晶子さんが45分間で炊き込みご飯など計5品を調理した。約100人がレシピを手にし、スピーディーな実演に見入った。
 川崎市の主婦(35)は夫(37)と参加し、「友達がカレーなどに使っています。煮炊きが早くできると聞き、使ってみようと思いました」。横浜市のベテラン主婦(71)も「孫たちが出入りするので、短時間でたくさん調理できる圧力鍋は欠かせません。それに、何と言ってもエコの時代ですから」と、調理時間の短さに着目する。
 伊藤さんが「ご飯を炊きながら、もう一品作りたいと思いませんか」と、鶏肉を入れた蒸し器を、圧力鍋内の米の上にセット。2段調理を提案すると、参加者の視線が圧力鍋にくぎ付けになった。
 圧力鍋の特徴の一つは、加熱時間の短さ。圧力で調理するため、「ご飯なら3分」(メーカー)と通常の鍋に比べて火力を使う時間が短く、ガス代の節約につながるといわれる。
 横浜高島屋は「ガスの使用量が少ないエコ商品として注目されている」(売り場担当者)といい、秋冬の煮込み料理向きとのイメージが強い圧力鍋を、夏場も目立つ場所に陳列した。
 ≪嫁は当てにできない≫
 圧力鍋は「密閉調理なので途中で調味を加減できない」「使い方が難しそう」など、初心者には不安材料があり、料理好きの主婦などが使うものと考えられていた。しかし、圧力鍋を使いたい男性は少なくないようだ。圧力鍋を輸入・販売するフィスラージャパン(東京都中央区)は「男性や料理の苦手な方、忙しくて時間のない方の関心が高まり、男性誌で紹介されることもあります」(広報担当者)とする。
 「東京では共働きで家事を半分ずつ分担したり、『これから結婚する予定だけれど、嫁は当てにできない』という男性もいます」と、ライフスタイルの変化を指摘するのは圧力鍋料理研究家の和田登美子さんだ。
 和田さんは京都で料理教室を開いている。都内でも月1回、「いそがしい東京人のためのお料理教室」と題して、圧力鍋を使う料理を教えている。東京では、夜間の教室だと、半分ぐらいが男性のときもある。
 「景気が悪くなると、出費を抑えるために外食を減らし、家で食べる機会が増えるので、鍋ぐらいはいい物を買おうという傾向があります。ガス代の節約効果は分かりづらいけれど、調味料の使用量は確実に減ります」と話す。
 エコと節約に加えて、不景気による“おうち”志向も後押しし、圧力鍋を愛用する人が増えそうだ。
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【用語解説】圧力鍋
 密封した鍋の中に高い圧力をかけ、沸騰温度を100度より高くすることで、高温・高圧状態で調理する鍋。加熱時間が短く、余熱を使って調理を続けることもできるので、ガス代の節約につながるといわれる。圧力鍋のメーカーでつくる「圧力なべ協議会」が5機種を使って実施した省エネ度測定試験の結果によると、圧力鍋で調理した場合のガス消費量は、通常の鍋に比べて最大約55%削減できる効果がみられた。また、二酸化炭素排出量も通常の鍋に比べて平均約33%、メニューによっては約55%削減できた。

 

ご飯が3分とはすごいですね。

夜間の料理教室の半分が男性というのも驚きです。

独身なのか、はたまた既婚者なのか…

どちらにしても、時代は変わりつつありますね。