急成長無料ゲーム 危うい構造

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12月8日、公正取引委員会は、携帯電話向けゲームを中心とするSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)大手で「モバゲータウン」を運営するディー・エヌ・エー(DeNA)本社に立ち入り検査を行った。
 DeNAが、ライバルの「GREE」を運営するグリーにゲームを提供しないようソフトハウスに圧力をかけたことが、独占禁止法で禁じられている「拘束条件付き取引」に当たる疑いがあるためだ。
 DeNAの“手口”はあからさまだった。グリーにソフトを提供した会社のゲームは、モバゲー内で検索しても表示されず、人気ランキングからも消された。業界でいうところの「導線を断つ」、つまりはサイト内での“村八分”だ。
 関係者によれば、DeNAは“村八分”にしたソフトハウスに「モバゲーに付くのか、GREEに付くのか」と迫ったともいう。
 もともと携帯向けゲームで先行したのはモバゲーだった。ネットオークション事業でスタートしたDeNAだが、ヤフーの寡占状態で青息吐息だった。それが、2006年に始めた携帯向けゲームで息を吹き返したのだ。それをSNSを前面に打ち出したGREEが追い上げ、昨夏、会員数で逆転した。
 携帯向けゲームのビジネスモデルは明快だ。「無料ゲーム」とうたってはいるものの、無料なのは最初だけ。釣りゲームなら簡単に大物が釣れる釣り竿、怪盗ゲームならパワーの高まる罠や防具が、ゲームを進めるにつれ欲しくなる仕組みだ。アクションゲームも序盤は無料でも、難易度の高いステージは有料。結局、ユーザーは無料ゲームにカネを払うことになる。
 こうして得た収入の約7割をソフトハウス、残り約3割をサイト側が受け取る。いかに多くの客を誘い込み、カネを払わせるかが腕の見せどころというわけだ。
 ちなみに、10年10月単月の関東地域でのテレビコマーシャル(CM)回数はGREEが約2800で1位、モバゲーが約2000で2位だ。 600〜700回のセブン−イレブン(4位)、マクドナルド(6位)の3倍以上のCMが洪水のように流れている。
 大量のCMを打てるのは、儲けが莫大だからだ。DeNAの前期決算は携帯向けゲーム関連の売上高だけで288億円で、その半分が利益と見られる。同様にグリーの前期売上高も352億円で、営業利益がその半分という稼ぎっぷりだ。矢野経済研究所の調査では、09年度の市場は311億円で、これが11 年度に1000億円を超えるというから、バブル状態だ。
 ただし、モバゲーは約500本あるソフトのうち自社開発は10本、同様にGREEは150本のうち6本。市場の急成長を支えるのは外部のソフトハウスという構造だ。今回の事件は、急成長に対応できる体制ができていないサイト側が、欲に目がくらんで強引なソフトハウスの囲い込みに走った結果だ。急成長にわく業界だが、そのビジネスモデルも、運営企業の組織体制も心もとない限りなのである。

 

なんだか汚い世界に思えてきますね。

もっと普通に、子供に夢を与える仕事としてやることもできるでしょうに…

やりすぎはいけませんね。