天下り隠し 民間と役職「交換」

引用

各省庁が独立行政法人(独法)への天下り批判をかわすため、独法の役員ポストを民間企業出身者に渡す一方、民間側に省庁OBを受け入れさせているケースがあることが、複数の関係者の証言で分かった。見かけ上の天下りは減るものの、天下り先が独法から民間に移っただけで、省庁と民間で役職を「バーター」している状態。政府は04年に独法の常勤役員中の省庁OB比率を半分以下にする基準を決め既に達成したとしている中で「天下り隠し」ともいえる実態が浮かんだ。
 文部科学省所管の独法「国立大学財務・経営センター」では06年7月、それまで財務省OBが就いていた監事ポストに、大手損保会社理事が民間出身者として新たに就任。ほぼ同じ時期、同省の元関東財務局長がこの損保会社の顧問に就いた。
 損保会社元理事は「当時の社長から『官民の人事交流で誰か出す必要になったので行ってくれ』と言われた」と証言。独法転出に伴う給料の減額分は、損保会社が補てんしたという。「そう(補てんが条件)でなければ誰も独法には行かない」とも述べ、異例の人事だったことを明かした。元関東財務局長も「それまでは損保との付き合いはなく、財務省が(行き先を)決めた」と語った。
 「人事交流」や「財務省が決めた」との証言について、財務省秘書課は「(OBの)就職の経緯については承知していない」と述べるにとどまった。
 また、総務省所管の独法「統計センター」では03年4月、電機大手の関連会社社長が理事に就任する一方、その3カ月後、同省の統計局調査官が電機大手の営業本部嘱託になった。関係者によると、同社の人事担当は元調査官が入社した後、元社長らに「人事交流」と説明したという。
 同社は「総務省から『民間の人材がほしい』と要請があった」としつつ、受け入れた相手については「個人情報なので明らかにできない」と説明。総務省秘書課は「この人事に関連性はない」と、人事交流であることも否定している。
 ある省庁の事務次官経験者は「バーターのような例があるのは事実。独法には世間が望むように民間の人を入れられるし、官僚は天下り先を確保できる」と語った。そのうえで「公務員OBにも年金を受け取るまでの期間は仕事が必要。次官や局長の同期が役所を辞める慣行を改めないと問題は解決しない」と指摘した。
 官僚制度に詳しい岡田彰・拓殖大大学院教授(行政学)の話 独立行政法人のポストを巡る官民のこうした実態は、ありそうだがこれまで実際に聞いたことはなかった。問題はそこまで根深いのかという思いがする。天下り批判を受けて官僚OBの受け入れ先が減っているため、天下りを隠して規制をすり抜けているのだろう。ただし「天下りけしからん」というだけでは問題は解決しない。天下りをなくすためには政治が具体的な方策を示すべきだ。
【ことば】独立行政法人
 「行政の効率化を目指す」として01年に創設され、現在99法人。09年度予算では国から補助金など計3兆4200億円が支出されている。創設前から「天下り先を増やす」との批判があり、実際に02年9月当時の59法人では常勤役員179人のうち省庁OBが103人を占め、国会で度々問題になった。小泉内閣時の04年3月、常勤役員(理事長、理事、監事)のうち省庁OBを半数以下にする基準を決め、08年10月には33%に下がったとしていた。

 

さすがですね。やりたい放題です。

もう、独立行政法人なんていりません。さっさとつぶしてください。