ひげそりの刃は何枚もいるの?

引用

 多くのビジネスパーソンにとって気になるのが、日々の身だしなみ。特に男性のヒゲそりは、毎日欠かせない朝の儀式である。ヒゲそりといえば、電気シェーバーを使っている人も多いだろうが、今回は安全カミソリに注目した。安全カミソリが、今すごいことになっているからだ。例えば刃の数。2枚刃が普通だったのは、遠い昔の話で、今や4枚刃、5枚刃のカミソリが登場している。さらに、ヒゲやまゆ毛を整えるトリマー付きの機種まである。かつて、銭湯や旅館で目にした1枚刃のT字カミソリから比べると隔世の感がある。
 そこで疑問に思うのが、ヒゲ剃りの刃は何枚も必要なのかということ。国産メーカーで唯一5枚刃カミソリを発売している貝印の広報室に聞いてみた。
「多枚刃の利点は二つあります。一つは、刃の枚数が増えると深ぞりができるからストロークが減ること。もう一つは、深剃りできるのに刃1枚にかかる力が分散されるので当たりがソフトになること。欠点は刃の枚数が多くなるとヘッドが大きくなるので鼻の下など細かい箇所がそりづらくなることです」
 多枚刃の深ぞりの仕組みはこうだ。肌に当ててカミソリのヘッドを動かすと、まず1枚目の刃が最初のヒゲをそる。その後ヘッドが進行方向に肌を押すことで、最初にそられたヒゲの根本の部分が表皮上に引き出される。引き出されたヒゲは、再び毛穴に戻る前に2枚目の刃によりカット。さらに3枚目、4枚目、5枚目が、同じように残ったヒゲをそっていくことで、一度でそれる量が多くなる。
刃の数はもう限界
 1998年、貝印が世界で初めての3枚刃の替刃式カミソリを発売して以来、多枚刃の時代に突入したといわれている。今後さらに枚数が増えることはあるのだろうか。
「1枚1枚の間隔が必要なのでヘッドは大きくなりますが、さらに枚数を増やすことは技術的には可能です。ただ3枚刃でもヒゲの97.8%がそれています。残りの刃をそるのには4枚刃、5枚刃が必要ですが、使い勝手のことを考えると、今のところ、これ以上必要ないと思います」
 どうやら刃の数は、今の商品で十分に足りているようだ。では、さまざまな機能、特性を含めて、各社の最新商品をチェックしていこう。
 まず、シック・ジャパンから2月に発売された「シック クアトロ4チタニウム レボリューション ブラック」だ。これは、ハイテク素材のチタンコート4枚刃を世界で初めて装着したクアトロ4チタニウムシリーズのブラックバージョンで、ヘッドの反対側のグリップに電動トリマーが付いている。トリマーの刃幅は約2センチ。0.3ミリから6ミリまで4段階の長さに調節可能なアタッチメントが付き、ヒゲだけでなくマユ毛やモミアゲを整えられる。実際に試してみたが、幅が小さいためヒゲ調節には時間がかかりすぎる。モミアゲを整えるのには重宝しそうだ。
刃の部分にキャップを被せられるタイプも
 刃はチタンでコーティングされた4枚刃で、刃が肌に直接当たるのを最小限に抑えるセーフティーワイヤー付き。さらに、刃の上部にはアロエ・ビタミンEも配合されたブルーのスムーザーが付き、さらに大型ガードバーも付く。そのため刃当たりは滑らか。今回新たに、刃の部分にかぶせられるトラベルキャップ付きも追加された。
 そり味は軽く、力を入れなくてもスーッとそれる。通常、長いヒゲだとカミソリの刃が引っかかるが、それもない。一度のストロークでヒゲがほぼそれるので、何度も同じ個所をそらなくてもよい。そった後の、カミソリ負けはない。
 さらに4枚刃の裏側には、モミアゲやヒゲの際を整えるセーフティーワイヤー付きデザインカッターを装備している。普通にヒゲをそる状態から刃を裏返すようにしてカミソリを持ち、モミアゲなどを整えるのに使う。
電動トリマーのないノーマルタイプは細身のグリップ
 電動トリマーのないノーマルタイプの「クアトロ4チタニウム ブラック」は、ヘッド部分は全く同じ。違いはグリップで、電池が入り太く重いレボリューションに比べ、細いグリップにゴムが施されている。握り心地はよく、コントロール性は高い。一方のレボリューションも、グリップが重く太いが、その分しっかりとしたホールド感があり決して悪くはない。そり味は同等だ。
 また、シック クアトロシリーズには、ヘッド部分が振動する「シック クアトロ4チタニウム振動ヘッドタイプ」もある。こちらは、チタンコート4枚刃が仕込まれたヘッドに、刃の滑りを滑らかにする新型スムーザーと、肌に密着して肌を伸ばしヒゲをそりやすい状態にする大型ガードバー付き。
 1本で洗顔とシェービングができる「シック 洗顔シェービングジェル エクストラ」。シック独自の処方により、シェービング剤ながら洗顔料としても使える。炭を配合し、洗浄力をアップ。顔の皮脂や毛穴の汚れまでキレイに洗えて、シェービング、洗顔後は肌もさらさらに。シェービング前の肌に潤いを与えヒゲの水分を保持して毛を軟らかくすると同時に刃と肌の間の潤滑油として働くプレシェービング剤は、快適なシェービングには欠かせない。洗顔料やせっけんで代用する人も多いが、一度使用してみると違いは実感できるだろう。
問合せ先:シック・ジャパン(株)お客様相談室 TEL03-5487-6801URL:http://www.schick-jp.com/index.html
6種類の使い方ができるトリマーを搭載
 カミソリに電動トリマー機能を持たせた商品は、貝印からも発売された。「VALIOS(ヴァリオス)」だ。カミソリは5枚刃のシステムレザーを採用。トリマーは、ヒゲはもちろん「モミアゲの整え」「ヒゲのラインの整え」「マユゲの整え」、さらに「鼻毛切り」「耳毛切り」と6種類の使い方ができる。トリマー部分は長さ122ミリ、直径19ミリの円筒形で単4形乾電池1本を使用。2種類のアタッチメント付きでカミソリと一体化しており、トリマーとして使うときは、ストッパーを外してハンドルを回転させる仕組みだ。トリミングの長さは1種類で調整はできない。
 使用している刃は、切断抵抗を軽減した貝印独自の超・硬刃技術「PINK(ピンク)」を採用した5枚刃。これにより肌への負担が軽減されたほか、耐久性も大幅にアップした。替刃は、4枚刃カミソリ「K-4テトラ ネオ」、3枚刃カミソリ「K-3イノベーター」と互換性がある。
Y字形状で安定性が高い「K-4 TETRA NEO(テトラ ネオ)」
「K-4 TETRA NEO(テトラ ネオ)」は4枚刃を採用したモデル。「VALIOS」同様に特殊な硬刃技術『PINK』を使っており、肌への負担が大幅に軽減している。さらに、新たに開発した超硬質チタン合金コーティングとフッ素樹脂コーティングの2層コーティングで敏感な肌にも優しいそり心地を実現。刃体は傾斜を付けた梯子状のフレームに1.4ミリの極薄刃を溶着させた構造で、カットしたヒゲを素早く後方に落とすようになっている。また、フレーム自体にクッション性を持たせ、肌によりフィットし、複雑な顔の形状に沿ってヒゲを確実にとらえる。スムーザーも前後2カ所に搭載し、よりスムーズなヒゲそりを実現した。
 ハンドルは刃体を両サイドの2カ所で支える新しいY字形状で安定性が高い。持ち手部分には滑り止め機能もある。替刃は貝印のどのホルダーにも装着できるよう互換性がある。そる場所に応じて、ワンプッシュで、首振りにも、首振りロックもできる。
5枚刃のパイオニアジレット
 世界初の5枚刃を採用したのはジレット。そのジレットの「ジレット フュージョン5+1」シリーズは、世界初の5枚刃にピンポイントトリマーを採用したものだ。密接に並んだ5枚刃で肌への圧力を分散している。替刃の裏側に装着されたピンポイントトリマーは、あご、鼻下、モミアゲといった剃りにくい部分をカバー。多枚刃によるヘッドの大型化対策だ。「ジレット フュージョン5+1パワーエアー」は、レッドソックスの松坂選手のCMでもおなじみ。ヘッドが振動するタイプで、マイクロパワーシェービングシステムを採用し、ハンドル部分に内蔵された超小型モーターが微小波動を起こす。この微細な振動によって、そり心地が滑らかになっている。
 ここまで、最新のカミソリを試してみて、その進化に改めて驚きを覚えた。これまで使っていた2枚刃のカミソリと比べて明らかに剃り心地が違う。抵抗なく軽く剃れるし、痛さをまったく感じなかった。いつもは電気カミソリを使っているが、替刃式カミソリはやはりシェービング後の爽快感が違う。2枚刃しか使ったことがない人は、ともかく一度試してみてはいかがだろうか。

 

いろいろありますね…

4枚刃の時点で「4枚も刃がいるの?」と思っていましたが、やっぱり3枚程度で十分なんですね(笑)

女性用のムダ毛処理用もこれくらい進化するといいかも。