医師確保へ 商店会が支度金

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 地方の公立病院の医師不足が全国的に問題になっている中、兵庫県西脇市の市立西脇病院の医師確保に向け、地元の商店など約250店が加盟する兵庫県西脇市商業連合会(市商連)が、西脇病院の研修医に、支度金を支給することを決めた。売り上げの一部で基金をつくり、現金を支給する仕組みで、地域による公立病院支援のモデルケースとしたい考え。公立病院の財政問題を所管する総務省地域企業経営企画室は「全国的にも珍しい取り組み」と評価している。
 平成16年に、新人医師が研修先を選べる新臨床研修制度が導入された後、都市部の病院で研修を希望する医師が増える一方、地方の病院は医師不足に陥っている。29日にリニューアルオープンする西脇病院は、兵庫県北播磨地方最大の総合病院で320床を備え、18の診療科がある。産科と小児科を併設するのは、近辺ではこの病院のみ。しかし、新臨床研修制度導入以降、50人いた医師が現在は38人まで減少しており、医師の確保は緊急課題となっている。
 医師確保のため、西脇病院では、これまでに研修医用にオール電化対応で、月額1万5千円という格安家賃の公舎を建設するなど、待遇面での改善で人材を募ってきた。今回の市商連の取り組みは、市や病院だけに任せきりにするのではなく、地域全体で研修医を応援しようという試み。
 市商連によると、政府の定額給付金の支給に合わせて5月にプレミア付き商品券「市民生活応援券」を5千万円分発行しており、その1%にあたる50万円で基金を創設。西脇病院に寄付し、生活必需品購入費などとして研修医の着任時に1人あたり現金5万円を支給する。来年4月から開始する予定。
 市商連は支援を受けた研修医に地域の思いを感じてもらい、将来は勤務医として西脇に戻ってほしいという期待を込めているといい、新谷千久男会長(69)は「不況で商売人も大変だが、地域が病院を支えているという気持ちを受け取ってほしい」。来住(きし)寿一市長は「地域全体で病院を守っていると感じる」と話している。

 

これはよい取り組みですね。

こうでもしないと集まらないというのは切ないですが、命に関わる問題ですから、こういった工夫はしていきたいものです。