値下げ見送り

引用

小麦粉が5月から平均10%値下げされる中で、めん類最大手の日清食品は25日、商品価格の値下げを見送る方針を明らかにした。日清は昨年1月に17年ぶりに7〜11%の値上げに踏み切ったものの、その後は小麦価格の上昇局面でも価格を据え置いた経緯がある。日清の値下げ見送りの判断が、東洋水産など他のめん類大手の価格政策に影響を与えそうだ。
 同日の記者会見で中川晋社長が正式に表明した。政府は、製粉会社に売り渡す輸入小麦価格を4月から平均14.8%引き下げ、これに伴い日清製粉など製粉大手も5月から業務用小麦粉を一斉値下げする。原料となる小麦が下落する中、日清食品が値下げを見送るのは「値下げ後も小麦価格は(3年前に比べ)36%高い水準にある」(中川社長)ためだ。
 ただ、価格を据え置く一方、原料値下がりの還元策として商品の付加価値を高める。
 主力の「カップヌードル」は具材の乾燥肉を従来のミンチ肉から角切りチャーシューに切り替えて4月20日に発売。また、めんの量を通常商品に比べ1.5倍の90グラムとしながらも、末端価格見込みが100〜120円程度の「大盛屋」を5月25日に新発売する。
 既存商品の付加価値向上やめん増量の新商品投入で「小麦の値下がりを消費者に還元する」(中川社長)としている。
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【予報図】
 ■「低価格商品」業績を左右
 日清食品を軸にした日清食品ホールディングスの2009年3月期の連結営業利益は、前期比27.7%減の200億円となる見通し。昨年1月の値上げで「低価格のプライベートブランド(PB)に需要が流れた」(同社幹部)のが影響する。さらに、今回、値下げの見送りを決めたことは、デフレ局面の中で同社のめん類販売に大きな影響を与える可能性もある。
 ただ、商品価格を据え置いた同社も、消費者の節約志向の高まりという需要構造の変化に手を打ちつつある。販売価格が170円の「カップヌードル」など主力商品とは一線を画す、100円前後の低価格商品「スープヌードル」「ソース焼きそば」などを06年3月以降に追加。さらに、低価格商品では6品目となる「大盛屋」を5月に発売し、PBに対抗可能な低価格帯商品を「完全にそろえた」(中川晋社長)。
 同社は09年度のカップめんの販売量のうち、低価格商品の比率を15%程度と見込むが、想定以上に低価格商品に需要が流れれば利益率の低下は避けられない。そうなれば既存商品の値下げも検討課題として浮上するが、中川社長は「コアブランドを汎用品にするわけにはいかない」と否定的。カップヌードルの具材変更など付加価値向上策が客のハートをつかめるか。この結果如何(いかん)で業績が大きく変動する可能性がある。

価値向上といっても、単に量を増やしてもらうくらいなら、安くしてもらったほうが嬉しいです…(涙)

それにしても、プライベートブランドとの戦いが活発化していますね。

どうなることでしょう…